東北地域研究シーズデータベース

スパッタリング法を用いたGa2O3ワイドギャップ半導体材料の作製

スパッタリング 酸化物半導体 Ga2O3
パワー・ディスクリート ウェハ・物性 素材・材料・ウェハ加工 前工程

研究シーズの特徴・独自性

ワイドギャップ材料、特に酸化物半導体に興味を持って新規材料探索をおこなっており、近年は特にGa2O3に注力している。
Ga2O3は、4.9 eVとバンドギャップが大きく、理論絶縁破壊電界が8 MV/cmと大きいため、パワーデバイスへの応用が期待されており、MBE法やmist-CVD法などで作製された結晶を用いて、FETなどの電子デバイスが試作され、良好な結果が得られている。
本研究室の特徴は作製にスパッタリング法を用いている点が挙げられる。低コストで成膜速度が速く、大面積にわたって均一な薄膜が得られるスパッタリング法の特徴を活用し、n型ドーパント材としてSiやSnを用いてGa2O3の導電率制御に取り組んでいる。スパッタリングターゲットには通常は焼結体が用いられるが、粉末をプレスして固めただけのものを使用している。焼結体は作製に手間がかかり、高価になるが、安価で簡易であるというメリットがある。また、Ga2O3にSiを混ぜて焼結したターゲットではSiはドーパントとして働かないことが分かっており、これは焼結の過程で混ぜ込んだSiが酸化するためではないかと考えている。粉末プレスしたターゲットではこの過程がおこらない可能性がある。

産学連携の可能性

Ga2O3に注力しているが、スパッタリングを用いての研究であれば半導体はもちろん、それ以外の材料でも専門にとらわれず連携できれば喜んで参加したいと考えている。
もちろんGa2O3に興味がある企業様がおられれば、実用化に向けて連携したいと考えている。また、スパッタリング法でのドーピングは一般的に難しいことが知られているが、Ga2O3以外の材料であっても、スパッタリング法を用いてのドーピングの研究の際にはお声がけいただければと考えている。

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一関工業高等専門学校
未来創造工学科 電気電子系
教授: 藤田実樹
お問合せ先: miki-f@ichinoseki.ac.jp