東北地域研究シーズデータベース

ノンメカニカル液晶レンズの創製及びその応用に関する研究

液晶光学素子,液晶レンズ,ノンメカニカルフォーカシング
光半導体(イメージセンサー、光電変換) 製造装置、検査装置 その他 前工程 評価・解析

研究シーズの特徴・独自性

液晶は、液体のような流動性を有し、大きな複屈折と誘電異方性の特徴を示す材料であり、比較的低い電圧により液晶分子の配列(配向)状態を変えることができる。一般的にディスプレイ表示素子に使用されているが,実効的な屈折率を異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に制御することができるため,プリズムやレンズ等の能動光学素子に用いることができる。RFスパッタリング装置を用いて,シート抵抗を制御した透明な金属酸化膜を液晶レンズに導入することで,液晶レンズの駆動電圧を下げることができ,有効レンズ径がマクロサイズ~センチサイズまでの液晶レンズを作製できる。この液晶レンズを撮像デバイスと組み合わせることで,機械的駆動部を必要とせず,焦点距離制御や収差補正制御を電子的に制御可能である。

産学連携の可能性

モータ駆動部を必要としないため,振動に強く,低消費電力で電子的に焦点位置を高精度に制御することができ,撮像センサデバイス応用,光学素子応用に展開できる。特に,半導体露光装置に用いる基板やフォトマスク等の位置合わせ用光学素子に液晶レンズを用いる特許(特許7356667号・令和5年9月27日登録)を保有しており,半導体装置メーカとの共同研究開発が可能である。その他,液晶レンズ技術は,視力矯正の焦点可変メガネ,光学計測装置用の焦点可変光学部品,光センサ用の収差補正制御素子への応用展開が期待できる。

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秋田大学
大学院理工学研究科/数理・電気電子情報学専攻 電気電子工学コース
教授: 河村希典
お問合せ先: kawamura@gipc.akita-u.ac.jp