東北地域研究シーズデータベース

高周波基板に向けた低誘電特性を有するフッ素系熱可塑性耐熱樹脂

回路基板 素材・材料・ウェハ加工 後工程

研究シーズの特徴・独自性

【概要】
パーフルオロアルカンが耐熱性および低誘電特性に優れていることに着目して、誘電率2.3〜2.6(10GHz)、誘電正接0.001〜0.005(10GHz)、ガラス転移温度95〜270℃および熱分解温度340〜500℃を有する低伝送損失対応のフッ素系熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂である。
【主な特徴】
①パーフルオロアルキレン構造を有しており、低誘電特性、耐熱性、低吸湿性に優れている。
②可溶性で熱分解温度が高いことから、成形加工性に優れている。
③無色透明なフィルムの作製が可能であり、平滑面銅めっき物の剥離強度は0.5〜0.8kN/mである。
【従来技術との比較】
従来のフッ素系樹脂の代表であるポリテトラフルオロエチレン(テフロン)は低誘電材料であるが、成形加工性および接着性に劣っている。本研究で開発したパーフルオロアルキレン含有のフッ素系樹脂は、低誘電特性、耐熱性、接着性および成形加工性に優れており、低誘電損失の絶縁材料として有用である。

産学連携の可能性

【産学連携の可能性】
フレキシブルプリント基板用の絶縁材料および接着シート、リジッドプリント基板用のプリプレグおよびプライマーに適している。また、接着性が高いことから、半導体パッケージ基板用の低誘電層間絶縁材料に向いている。
・フッ素化アルキレン構造を有しており、低誘電特性、耐熱性、接着性に優れている。
・可溶性で熱分解温度が高いために、成形加工性に優れている。
・無色透明フィルムの作製が可能であり、光透過性にも優れている。
【想定する用途】
①半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料
②フレキシブルプリント基板用の絶縁材料および接着シート
③リジッドプリント基板用のプリプレグおよびプライマー
【関連特許情報】
①発明の名称:フッ素化アミド化合物、フッ素化含窒素複素環含有化合物およびフッ素化化合物
 出願番号:特許7096931、PCT/JP2021/017952
 出願人:国立大学法人岩手大学、ダイキン工業株式会社
発明者 :大石好行、野口 剛
②発明の名称:含フッ素ポリエーテル化合物
 出願番号 :特願2021-079793、WO/2022/239781A1
 出願人 :国立大学法人岩手大学、ダイキン工業株式会社
 発明者 :大石好行、野口 剛
【関連事業情報】
・文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成事業」(R1~R5年度)

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岩手大学
分子接合技術研究センター
教授: 大石 好行
お問合せ先: iwateeco@iwate-u.ac.jp