東北地域研究シーズデータベース

高周波基板に向けた低誘電特性を有するトリアジン系熱可塑性耐熱樹脂

回路基板 通信・5G・アンテナ・IoT 素材・材料・ウェハ加工 後工程

研究シーズの特徴・独自性

【概要】
1,3,5-トリアジン環は対称構造の芳香族複素環であるため、耐熱性が高く低誘電特性を示すことに着目して、誘電率2.4〜2.5(10GHz)、誘電正接0.002〜0.003(10GHz)、ガラス転移温度200〜270℃および熱分解温度340〜520℃を有する低伝送損失対応のトリアジン系低誘電熱可塑性耐熱樹脂である。
【主な特徴】
①1,3,5-トリアジン環を有しており、低誘電特性、耐熱性、接着性に優れている。
②可溶性で熱分解温度が高いために、成形加工性に優れている。
③無色透明なフィルムの作製が可能であり、光透過性に優れている。
【従来技術との比較】
従来の低誘電熱可塑性樹脂の代表であるポリイミド、液晶性ポリエステルおよび芳香族ポリエーテルは溶融温度や溶融粘度が高く、かつ不溶性であるために、成形加工性に劣っている。本研究で開発したトリアジン系樹脂は、低誘電特性、耐熱性および成形加工性に優れており低誘電損失樹脂として有用である。

産学連携の可能性

【産学連携の可能性】
・1,3,5-トリアジン環を有しており、低誘電特性、耐熱性、接着性に優れている。
・可溶性で熱分解温度が高いために、成形加工性に優れている。
・無色透明フィルムの作製が可能であり、光透過性にも優れている。
【想定する用途】
①半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料
②フレキシブルプリント基板用の絶縁材料および接着シート
③リジッドプリント基板用のプリプレグおよびプライマー
【関連特許情報】
①発明の名称:低誘電材料用の樹脂組成物、積層基板用フィルム、積層基板、低誘電材料用の樹脂組成物の製造方法、積層基板用フィルムの製造方法及び積層基板の製造方法
 出願番号 :特願2021-050547、WO/2022/202886A1、TW111110828
 出願人 :国立大学法人岩手大学
 発明者 :大石好行、芝﨑祐二、塚本 匡
②発明の名称:低誘電材料用の樹脂組成物、積層基板用フィルム、積層基板、低誘電材料用の樹脂組成物の製造方法、積層基板用フィルムの製造方法及び積層基板の製造方法
 出願番号 :特願2021-050694、PCT/JP2022/013475、WO/2022/202894A1、TW111110831
 出願人 :国立大学法人岩手大学
 発明者 :大石好行、芝﨑祐二、塚本 匡
【関連事業情報】
・文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成事業」(R1~R5年度)

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岩手大学
分子接合技術研究センター
教授: 大石 好行
お問合せ先: iwateeco@iwate-u.ac.jp