東北地域研究シーズデータベース

分子接合法(i-SB法)によるフレキシブル基板への高速伝送対応めっき形成技術

回路基板 通信・5G・アンテナ・IoT 後工程

研究シーズの特徴・独自性

【概要】
ポリイミド等のフレキシブル樹脂基板において、樹脂層と導電層との間にシランカップリング剤のバリア層と分子接合剤層を形成することによって、導電層からの銅の拡散による基板樹脂との密着力低下を防ぐとともに、高速伝送対応の平滑めっきが低コストでできる技術を提供する。
【主な特徴】
①コストの安いシランカップリング剤で銅拡散バリア層を形成する
②低コストで平滑めっきができる
③耐熱性に優れる
【従来技術との比較】
従来の平滑めっきは、高温環境下で配線から銅が拡散し樹脂と配線の間で結合の弱い層ができることから、密着強度の低下が問題であった。また、これを防止するためにさらにニッケルやモリブデンをめっきする方法もあるがコストが高くなる問題があった。本技術は、これらの問題を解決できる。

産学連携の可能性

【産学連携の可能性】
・従来技術の問題点であった、密着向上のための表面粗化工程を省くことが可能。
・本技術の適用により、絶縁樹脂への銅拡散防止バリア層を形成できる。樹脂と接触する側の金属層の表面が平滑であり、高温環境下における金属層と樹脂との密着性に優れ、かつ、低コストである積層体の製造方法の提供が可能。
【想定する用途】
①5G用フレキシブル基板、高速伝送対応基板
②成形回路基板
③金属/樹脂接合体
【関連特許情報】
発明の名称 :積層体の製造方法
出願番号 :特開2022-075630
出願人 :国立大学法人岩手大学
発明者 :平原英俊、桑静、會澤純雄
【関連事業情報】
・文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成事業」(R1~R5年度)

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岩手大学
分子接合技術研究センター
教授: 平原 英俊
お問合せ先: iwateeco@iwate-u.ac.jp