『医療機器産業と自動車産業の最新動向を知る』講演会が、岩手県立大学アイーナキャンパスで行われました。 |
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岩手県では、医療機器関連産業と自動車関連産業の振興と、同産業への地元中小企業の参入促進を図っています。 今までこの2つの産業に参入するためのセミナーがなかったのですが、今回は両業界の最新動向について、実態調査に基づき分析を行った情報を提供していただくことになりました。 |
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講演@医療機器産業セッション 「日韓産業クラスターの比較研究−医療機器産業におけるリンケージメカニズム−」として、 (一財)機械振興協会 経済研究所・調査研究部 部長兼研究主幹 北嶋 守氏が講演されました。 <まとめ> 企業が地域に根ざした中小企業の新しい産業をつくるには・・・。 韓国原州医療機器テクノバレーと郡山地域テクノポリス推進機構とのクラスター・リンケージを例として、取り組みが異なる機関同士がクラスター間連携を行い、情報交流、人材交流や相互出展交流などで異業種が参入すれば面白いものができるのでは。日本は県単位で同じ事をして競争するより、ブロック単位で協力して取り組むべき。 売るための支援・技術が必要。 売り先を見つけることが大事。 営業力を活用し、海外と取引を行う。 いかにお金をかけないで商談に結びつけるか。 クラスター間連携の相互交流でアグレッシブなグローバル展開・売り込みを相互学習する。 旗振り役、キーパーソンが必要。 ボトムアップで継続的に業務を行う専門家の育成が必要。 短期間の人事異動では、情熱の引き継ぎはできない。気持ちのサプライチェーンの構築が必要。 北嶋様、ありがとうございました。 |
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講演A医療機器産業セッション 「医療機器産業の取引関係と産業振興−需要構造アプローチからの示唆−」として 山形大学 人文学部法経政策学科 准教授 山本 匡毅氏が講演されました。 <まとめ> 医療機器産業は市場が小さくパイが少ない。 輸入超過。医療機器産業独特の商習慣がある。 単価は高いがロットは小さい。 自動車産業に比べればコストダウンは少ない。 他社への展開ができないのがネック。 病院の評価を高める。 医大との連携。 医療指針は外せない。 QMS省令を確認。 コンサルタントに頼らず薬事の許可を取る。 部材等、薬事の許可がいらない部品は比較的早く低い障壁で参入できる。 メーカーに許可があれば一次・二次サプライヤーは薬事の許可がいらない場合もある。 展示会が大事 ・ものづくり展示会 ・学会展示会 ・東京本郷との商談会 ・メドテック ・海外の展示会 など 海外展開にはISO13485 が必要。 海外の展示会で顧客を確保し、部品受注を取ることができる。 山本様、ありがとうございました。 |
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講演B自動車産業セッション 「自動車産業モデルの変化と新規参入の可能性」として、 (一財)機械振興協会 経済研究所・調査研究部 研究副主幹 太田 志乃氏が講演されました。 <まとめ> トヨタもホンダも中国でハイブリッドの現地生産を行う。 各社でモジュールの共有化・効率化の流れがある。 マツダでは、設計段階で一括企画を行い、16ヶ月で量産までこぎつける。 モジュール生産がTier1の量産を増やす。Tier1は量産対応できるかどうか、グローバル展開できるかどうかが求められる。 失注すると長期間にわたって仕事がなくなってしまうので、事前の対応が必要。 さまざまな自動車メーカーの生の声を聞いた最新動向の情報をいただきました。 太田様、ありがとうございました。 |
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業種にかかわらず、売るための支援、売るための技術、参入のためのノウハウの必要性を感じた講演会でした! |