特集●冬季賞与支給予定額調査結果
冬のボーナス支給予定額
前年比5.2%減
●支給月額 1.78ヶ月 ●支給額 363,615円
当産業情報センターが10月31日現在でまとめた県内各企業のこの冬のボーナス支給予定額調査によれば、加重平均で男子が414,883円(回答企業の対前年実績比4.9%減)、女子が243,532円(同5.9%減)、男女平均では363,615円(同5.2%減)となり、3年ぶりにマイナスの伸び率となった。深刻な状況が続く県内景況のなか、厳しい経営環境を強く反映した調査結果となっている。
この調査は、当産業情報センターが66業種、1,111企業(法人設備投資計画調査先500社と初任給調査先900社の中から重複分をのぞいたもの)を対象に10月31日現在で実施したものである。調査票を回収したサンプル314企業のうち、従業員のいない企業、支給額が未定の企業、記載不備のものを除いた269企業分を集計したものである。
表1は冬のボーナス支給予定額の状況をみたものである。これによるとボーナス支給予定額は総平均で、男子が414,883円(回答企業の対前年実績比4.9%減)、女子が243,532円(同5.9%減)、男女平均が363,615円(同5.2%減)と、前年実績を大幅に下回り、昭和52年の調査開始以来最大の落ち込みとなった。
また過去5年間の男女平均支給予定額の伸び率の推移は、平成5年0.9%増、平成6年1.9%増、平成7年3.1%減、平成8年0.3%増、平成9年1.7%増となっており、3年ぶりにマイナスの伸び率となった。
次に平均基本給に対する支給月数についてみると、総平均で男子が平均基本給225,372円(平均年齢39.3才、平均勤続年数12.7年)の1.84ヵ月、女子が同154,240円(同37.9才、同9.2年)の1.58ヵ月、男女平均では同204,089円(同38.9才、同11.7年)の1.78ヵ月となっていおり、いずれも前年調査を下回っている。
表1 冬のボーナス支給予定額の状況 (単位:円 %) |
|
男 |
女 |
企業数 |
平均年齢 |
勤続年数 |
平均
基本給 |
ボーナス
支給額 |
支給月数 |
前年比 |
企業数 |
平均年齢 |
勤続年数 |
平均
基本給 |
ボーナス支給額 |
支給月数 |
前年比 |
総平均 |
268 |
39.3 |
12.7 |
225,372 |
414,883 |
1.84 |
95.1 |
261 |
37.9 |
9.2 |
154,240 |
243,532 |
1.58 |
94.1 |
鉱業 |
7 |
44.2 |
9.7 |
204,169 |
465,065 |
2.28 |
101.3 |
7 |
41.7 |
8.5 |
157,973 |
278,760 |
1.76 |
96.4 |
建設業 |
74 |
42.0 |
11.8 |
246,201 |
382,368 |
1.55 |
95.5 |
69 |
37.6 |
8.6 |
173,666 |
249,894 |
1.44 |
98.5 |
製造業 |
92 |
37.1 |
13.3 |
219,384 |
426,775 |
1.95 |
93.8 |
90 |
39.4 |
10.2 |
147,536 |
234,269 |
1.59 |
91.9 |
卸売業 |
16 |
38.1 |
13.6 |
250,966 |
503,916 |
2.01 |
90.1 |
16 |
30.6 |
8.8 |
173,254 |
303,360 |
1.75 |
85.2 |
小売業 |
29 |
34.5 |
11.2 |
224,666 |
482,905 |
2.15 |
102.9 |
29 |
28.9 |
7.5 |
167,344 |
340,746 |
2.04 |
103.2 |
運輸業 |
15 |
45.2 |
16.8 |
212,449 |
368,151 |
0.58 |
92.2 |
15 |
39.0 |
14.6 |
187,621 |
281,414 |
1.50 |
85.3 |
サービス業 |
35 |
39.5 |
8.6 |
206,534 |
346,656 |
1.68 |
95.7 |
36 |
42.1 |
6.5 |
147,014 |
161,358 |
1.10 |
95.9 |
|
|
平均
|
企業数 |
平均年齢 |
勤続年数 |
平均
基本給 |
ボーナス支給額 |
支給月数 |
前年比 |
総平均 |
269 |
38.9 |
11.7 |
204,089 |
363,615 |
1.78 |
94.8 |
鉱業 |
7 |
43.9 |
9.5 |
199,063 |
444,474 |
2.23 |
100.8 |
建設業 |
74 |
41.0 |
11.0 |
236,484 |
364,622 |
1.54 |
95.8 |
製造業 |
93 |
38.0 |
12.1 |
191,295 |
351,514 |
1.84 |
93.0 |
卸売業 |
16 |
36.4 |
12.5 |
233,113 |
457,843 |
1.96 |
89.7 |
小売業 |
29 |
32.6 |
10.0 |
205,582 |
435,576 |
2.12 |
102.9 |
運輸業 |
13 |
44.7 |
16.6 |
210,418 |
361,054 |
1.72 |
91.7 |
サービス業 |
36 |
40.6 |
7.8 |
181,979 |
270,210 |
1.48 |
96.4 |
|
業種別の支給予定額(男女平均)は、卸売業が457,843円と最も高く、以下、鉱業444,474円、小売業435,576円、建設業364,622円、運輸業361,054円、製造業351,514円、サービス業270,210円、の順となっている。また、男女別にみると、男子では卸売業の503,916円を最高に、以下、小売業482,905円、鉱業465,065円、製造業426,775円と続いている。女子では小売業が340,746円と最も高く、卸売業303,360円、運輸業281,414円、鉱業278,760円と続いている。
次に各業種の支給予定額を前年同期の実績と比べると、小売業2.9%増、鉱業0.8%増とそれぞれ前年実績を上回ったほかは、サービス業3.6%減、建設業4.2%減、製造業7.0%減、運輸業9.3%減、卸売業10.3%減、と軒並み前年実績を下回っている。特に、卸売業は10%超の減少となり落ち込みが目立っている。
図1は支給額の分布状況を10万円単位でみたものである。これによると、「30〜39万円」と回答した企業が28.6%で最も多くなっており、次いで「20〜29万円」21.6%、「10〜19万円」16.0%の順になっている。このことから、県内のほぼ半数の企業が20万円以上30万円台の支給額となっていることがわかる。反面「40〜49万円」、あるいは「50万円〜」と回答した企業もそれぞれ1割以上あり、支給額は例年どおり各段階に広く分布し、企業間の格差が大きい。
表2は支給時期をみたものである。全体では「12月11日〜20日」に支給する企業が37.6%で最も多く、次いで「12月1日〜10日」と「12月21〜31日」がそれぞれ29.0%で同率となっている。また業種別に支給時期をみると、建設業と鉱業で「12月21〜31日」と回答した企業が5割以上と支給時期が偏っているのが目立つ。一方運輸業と製造業では、「12月1日〜10日」と回答した企業が約4割となっており、支給時期の早い企業が多い。
表2 支給時期 [単位:%]
|
11月以前 |
12/1〜10 |
11〜20 |
21〜31 |
未定 |
鉱 業 |
0.0 |
28.6 |
14.3 |
57.1 |
0.0 |
建 設 |
0.0 |
13.5 |
29.7 |
51.4 |
5.4 |
製 造 |
1.1 |
38.0 |
43.5 |
16.3 |
1.1 |
卸 売 |
0.0 |
31.3 |
56.1 |
6.3 |
6.3 |
小 売 |
3.4 |
27.6 |
41.4 |
27.6 |
0.0 |
運 輸 |
0.0 |
39.9 |
26.7 |
26.7 |
6.7 |
サービス |
2.8 |
33.3 |
36.1 |
22.2 |
5.6 |
合 計 |
1.1 |
29.0 |
37.6 |
29.0 |
3.3 |
|